屋上の落書き


 
「降りてこれる?」

「うん。今すぐいくね。」

「大事なお話が・・・・。」

「じゃあ、今行くね。」

大事な話ってなんだろう。

凪は、あわてて家のしたまで降りていった。

そこには、いつもとは少し違った表情で立っている

永沢がいた。

「永沢っ。話しって??」

「あのさ、、いきなりなんだけど、そのす、、、すっき」

「えっ??」

永沢の言葉の最後の方が小さくて凪には聞き取れなかった。

「そのさ、、す、、す、お前さ。。。」

「うん。」

「スキーできる?」

「えっ?あっ。できるよ。」

凪は、期待していたこととは違うことを言われたので、

すこしとまどっていた。

すると、永沢が深呼吸をした。

そして、凪の方をしっかりとみて話しだした。

「えっと、そうじゃなくて、俺、お前のこと好きなんだけど。」

「本当?」

「当たり前だよ。嘘なわけないし。」

「あたしも、、、、、好きだよ。」

「まじ?」

「当たり前だよ。嘘なわけないし。」

永沢と同じ言葉を繰り返した。


永沢は、照れているのを隠すように笑った。

凪は、恥ずかしそうに下をむいた。


「じゃあ、遅くによびだしてごめんな。」

「ううん。永沢がきてくれてうれしかった。」

すると、永沢がポケットからごそごそと何かを出した。

「これ、、、言えなかったとき、手紙で告白しようと思ってた。」

そういって、白い封筒を出した。

「ぷっ、、、。永沢がこんなことするとか、、、、、」

「うるせぇ。一応、よんどいてよ?」

「わかったよ。」

「じゃあなっ。」

「うん。ばいばい。」


ずっと遠くで永沢が振り返って手を振った。

凪は、永沢が見えなくなるまでその背中を眺めていた。


家に入ると、さっそく凪は封筒を開け、手紙をみた。

【なんか、手紙で悪いけど、雨宮に伝えたいことがある。

 実はおれ、雨宮のこと公園で会ったときから好きだった。

  なんか、どこかさみしそうで・・・。
 
 もし、そのさみしさをおれが取り除けれるなら、
 
 ずっとそばにいたいと思った。

 好きです。付き合ってください。】


「キザ・・・・・・・。」

凪はそうつぶやいた。

そして、いつのまにか顔がニヤけていてしまった。


友達はいないけど、永沢がそばにいてくれる。

そう思うだけで気持ちが軽くなった。



翌日。

いつものように支度をして、玄関を開けた。

「えっ?!ななななな永沢っ?!」


「おはよう。」

そう、永沢は笑顔で言った。

「どしたの?なんで?」

「だって、俺は雨宮の彼氏だもん。」

「あっ。そっか。家遠くなぃ?」

永沢と凪の家は、とても離れたいた。だから、それに凪はとても驚いていた。

「遠いね。でも、凪のためなら♪」

凪は、照れてなにも返せなかった。
 
「ねぇ??凪?」

歩きながら急に永沢が凪の名前をよんだ。

「どしたの?」

すると、突然永沢は凪の前に手を差し出してきた。

「えっ??」

「手、つなごっ?」

「えっ・・・・てt、、、ててって?」

凪は、かみかみ。永沢とまともに目が合わせられない状態だ。

「いいじゃん♪恋人同士なんだしっ!」

恋人同士という言葉で凪はふと思った。

そういえば、永沢、私のこと下の名前で呼んでるよね。

永沢の下の名前、なんだっけ。

「えっ・・・。永沢って・・・・。」

凪は遠慮がちに永沢に質問をした。

「下の名前、、、なんだっけ?」

すると突然永沢が、

「凪って俺のこと好き?」

「えっ?!す、、、好きだよ!」

照れながらも凪はそう答えた。

「好きな男の名前ぐらい知っとけよぉ。連っていって?」

「れ、、、れん・・・?」

そんなこんなで凪は、顔が真っ赤になっていた。

しばらく、連と他愛のない話をしているといつの間にか学校についていた。





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