3つの気持ち


 
「ただいま。」

「おかえり。って、まだ学校・・・・。」

そこには、いつもよりとても早く帰ってきた私に驚くお母さんがいた。

「まぁ、その服どうしたの???」

「・・・・。お、、お母さーーん・・・グスン。」

それから、私はお母さんにいじめられていた事を話した。

「そうだったの。気づいてあげられなくてごめんね。本当にごめんね。つらい思いしてたんだね。」


お母さんが学校の先生に話してくれた。

それから、私は2週間学校を休んだ。


そして、2週間が立ったある日のことだった。

1度だけ学校へ行く事になった。

私は、初めはいやだったがこのままでは完全に逃げている事になる、

そう思ったから、学校へ行く事にした。


ガラガラガラ

いつもよりもものすごく重いように感じた教室のドアを開けた。

もちろん、よこには先生がついていた。


すると、三咲たちが立ち上がった。

そして、泣き声で言った。

「飛鳥のこといじめてしまってごめんなさい。」

「今まで、つらい思いさせてごめんね。」

「飛鳥の気持ち考えれなくてごめん。」

私は、三咲たちと目をあわせることができなかった。

そのとき、沙羅が立ち上がった。

まるで、予定にはなかったかのように先生は驚き、それを隠そうとしていた。

「飛鳥、ごめん。みてるだけってのも、いじめてるのと同じくらい悪いよね。」

すると、私をいじめていなかった人が次々と立ち上がり話し始めた。

「ごめんね。いじめをとめるべきだった。」

「飛鳥につらい思いをさせたのはあたしの責任でもある。ごめん。」

「ごめんなさい。飛鳥ちゃんの味方をすればよかった。」


『ごめん』『すいません』『悪かった』

いやなくらいそんな言葉を聞いた。


「飛鳥さん、どうですか?みんな謝っています。仲直りしませんか?」

先生がそういった。

私はしばらく黙り込んだ。

三咲たちも黙ったままだった。


「許せません。仲直りなんてしません。いじめてきた子もたすけてくれなかった子も。」

私はそう言った。

すると、続けて三咲が話し出した。

「あたしだって、許してもらえるなんて思ってません。仲直りなんて、低学年じゃないんです。」


そして私たちは、結局仲直りすることもなくその時間は終わった。

一度してしまったことは許されない。

それは、三咲や沙羅も分かっていた。


その後、私は県外の学校へと転校した。

その学校では、みんなから優しくされ楽しくすごした。

でも、いじめでの心の傷はそう簡単には癒されなかった。


それから、10年後。



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