愛しすぎた少女


 

目が覚めると私は、見知らぬ部屋にいた。

そこは、洋風のへやでとても女の子らしい部屋だった。

ゆっくり起き上がると、くらっと目まいがした。

強く頭を打ってしまったのかもしれない。


そして、私はゆっくりあたりを見回した。

「きゃぁーーーーー!!」

そこには、血まみれになった少女の死体があった。

そして、その少女と目があってしまったのだ。

私はびっくりして、その場にしゃがみこんだ。

そして、その死体から遠ざかるようにへやの隅へと後ずさりした。

すると、その少女は立ち上がり私の方へと近づいてきた。

「こ、、こないで!!!」

私の声はまるで届かなかったかのように少女は近づいてきた。

「ねぇ。遊ぼうよ。」

しーんとした空気のなかに少女の声が響いた。

そういうと、私の方へ手を伸ばしてきた。

「きゃぁーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

そこで、私は気を失った。




「鞠絵!鞠絵!おきなさい!」

私は、市ノ瀬 鞠絵(Ichinose Marie)。

ごくごく普通の中学生。

お母さんとお父さんそして小学5年生の妹と4人で暮らしている。

私は、誰よりも家族が大好き。

永遠に一緒にいたいくらい大好き。


「はーい。今いくぅ。」

今日はこんな奇妙な夢を見たせいで朝からテンションが低い。

それにしても、あの夢は怖く思い出すだけで振るえがおこった。

「おはよぉ。」

「鞠絵。何か叫んでたけど、なんか悪い夢でもみたの?」

「あぁ、別に。よく覚えてない。」

お母さんにそう聞かれたが、心配はさせたくないからうそをついた。

そして、私はいつものように支度をしていつものように学校へと登校した。

だが、いつものようにはいかなかった。

あの夢のせいで・・・・・・。






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