幸せのクローバー(W)


 

その日の放課後

私は、がまんできなくなり楓を屋上に呼びだし聞いてみることにした。


「ねぇ。楓。本当のこと言って。」

「なに?」

「翔夜に何かいった??」

「別に。何にも?」

「うそでしょ?本当のこといってよ!!」

しばらく沈黙が続いた。

そして、その沈黙をやぶったのは楓だった。


「そうよ。言ったよ。小枝に近づかないでって。」

私は言葉を失った。

「近づいてほしくなかったのよ!!」

楓は半泣きでそういった。

「そんなのひどいよ。」


パチンッ!!

私は、楓の頬をたたいてしまった。

そのとき、ドアのほうをみると翔夜がたっていたことに気づいた。

私はその場にいることができず、翔夜をよけ教室へと走った。


教室にはもう誰も残っていなかった。

自分の席にすわり私はずっと泣いていた。



そのとき、かばんの中に四葉のクローバーが入っていることに気づいた。

「こんなんで幸せになれないじゃん。」

そうして、四葉のクローバーをくしゃくしゃにした。



しばらくして、誰かが廊下を走って教室に向かってきた。

こないでほしい。

泣いているところを見られたくなかった。


しばらくして、走っている足音が止まった。

顔をあげ、教室のとびらをみるとそこには翔夜がたっていた。


「し、、翔、、夜、、、。」

「小枝、、、。」


翔夜は私が握っていた四葉のクローバーを広げた。

「こんなくしゃくしゃにしたら、幸せが逃げてくよ。」

「こんなので、幸せになんかなれないもん。」

「俺は、信じるよ。信じれば、叶うって美城も言ってたじゃん。」

そして、しばらくの間、沈黙が続いた。



「翔夜、ごめんなさい!!」

私は、楓をたたいたことを謝った。

「別にいいよ。」

「なんで?大切な楓をたたいて、ごめんなさい。」

「俺こそ、ごめん。」

翔夜が私に謝ってきた。私はよく意味がわからない。

「なんで?翔夜は。。。」

「ごめん。話しかけられても、まともに返事しないで。」

「別に、平気だよ。楓になんていわれたの??」

さっきも楓に聞いたことと同じようなことを聞いた。

「小枝に近づくと、小枝が傷つくから、近づくなって。」

「えっ。。。」

「好きな人が傷つくのはいやだった。だから、、、ごめん。」

「えっ。今、なんて。。」

私は、耳を疑った。

「俺は、楓なんかじゃなくて、小枝が好きなんだ。」

私の頭の中は混乱して、なんだか変な感じがした。

「でも、小枝はほかのクラスのやつがすきなんだよな。。。」

「ちがうよ。私が好きなのは、翔夜だよ。」


私の正直な気持ちを今、翔夜に伝えることができた。

でも、私の頭の中には疑問があった。

「じゃあ、なんで楓と付き合ってたの?」

「小枝がほかのクラスのやつがすきだってうわさ流れてたじゃん。

あれ、知ってさ、結構ショックで。

そのとき、楓に告られた。それで、OKした。」


その言葉で私の疑問はなくなった。


「私こそ、ごめん。もっと早くに気持ち伝えればよかった。」

「いいよ。今、小枝の気持ちを知れたんだし。

それで、俺でよかったら付き合ってほしい。」

「もちろん。でも、楓は?」

「さっき、屋上で話てきたから。」

「うん。わかった。よろしくね。翔夜。」

「このクローバーに誓って。」

こうして、私と翔夜はお互いの気持ちを知ることができた。

そして、ずっと幸せでいることができた。


HAPPY END