幸せのクローバー(V)


 

その日の放課後


「ねぇ。美城、なんでおまじないとかジンクスとかってこの世にあるの?」

「えっ?!いきなり、そんなこと聞かれても・・・・・。」

「もう最悪。」

「ぇっ。。どうしたの??」

「今日、あの丸い雲がどーとかってやつで、不幸になった。」

私の怒りのほこさきはおまじないへと向けられていた。

誰にもむけられないこの怒りを。


「そっか。翔夜くん、楓を・・・・おっ!!」

「ん?どしたの美城?」

急に話をやめた美城の指すほうをみると、そこには手をつなぎ歩いている

翔夜と楓のすがたがあった。


そのとき、美城が言った。

「ねぇ。二人の中に割り込んでちょっとだけでも幸せ壊さない?」

「やめとく。」

私は、すこしうつむきながらそう言った。

「なんで??楓、きらいなんでしょ?」

「うん。大っ嫌いだよ。でも、楓の幸せを壊すのは翔夜の幸せを壊すことになるからね。」

翔夜には、私が嫌な思いをしてでも幸せでいてほしい。これが私の気持ちだ。



「ごめんね。」

「えっ。別にいいよ。」

「やっぱ、小枝の気持ちは本物だね。尊敬しちゃう。」

「全然。まぁ、あの2人はみなかったことにしよっ。」


翌日

「今日もおっはよぉ〜美城っ!」

「おはよぉ〜。小枝はテンション高いね。」

私は、1日たてば嫌なこともすっきり忘れるタイプ。

こんな性格のおかげでいろいろ助かってるけどね。

そんなところへ翔夜がやってきた。

今日は、とってもラッキーな日。

「翔夜っ!おはよぉ。」

「・・・・あっ。おはよ・・・・。」

「・・・・・?」


翔夜はいつもに比べるととてもテンションが低かった。

体の具合でも悪いのだろうか。


「翔夜?体の調子わるいの??」

「別に。」

昨日から急に変わった翔夜をみて、おどろきを隠せなかった。

しばらくすると、前方に翔夜に向かって手を振る楓がいた。

すると、翔夜は急に笑顔になり楓のところへ走っていった。

「おはよぉ♪翔夜っ!」

「おはよ!楓。昨日も楽しかったね!!」



私の前では、無愛想だった翔夜が楓の前ではいつもの翔夜だ。

そのとき、美城も同じことを考えていたのだろう。

美城も唖然としていた。

「美城。翔夜になんかいった??」

「ううん。なんにも・・・。」

「どしたのかな。。。。」




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